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2024.10.12

顎関節症の原因とセルフケアや治療について

こんにちは。渋谷マロン歯科Tokyoです。今回は、顎関節症についてお話します。

顎関節症とは?

顎関節症は、顎の関節や周辺の筋肉に問題がおきて、顎の開閉がスムーズにいかなくなる疾患です。食事の時などに顎が痛む、口を開けると音が鳴る、口を大きく開けられないなどといった症状を訴える方多く、女性のほうが多い傾向にあります。

また、年齢では20~24歳の方が多いというデータも出ています。下記は厚生労働省の調査結果です。顎の関節の雑音を自覚している方と、顎の痛みを自覚している方のデータです。

顎関節の雑音を自覚するもの割合|顎関節症の原因とセルフケアや治療について|渋谷マロン歯科Tokyo 顎関節の痛みを自覚するもの割合|顎関節症の原因とセルフケアや治療について|渋谷マロン歯科Tokyo

厚生労働省 歯科疾患実態調査結果の概要より引用

 

顎関節症の原因

顎関節症の主な原因は、以下のようにさまざまな要因があり、それぞれ絡み合っています。そのためケースによって異なりますが、一般的に次の要素が顎関節症の発症や悪化に関与しています。

① 噛み合わせの問題
• 不正咬合:上下の歯の噛み合わせが悪いと、顎関節や周辺の筋肉に余計な負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。

• 片側で噛む習慣:片方の顎ばかりで噛むと、顎の筋肉に不均等な負荷がかかり、顎関節の動きが悪くなることがあります。

② ストレスと筋肉の緊張
ストレスによって、無意識に歯を食いしばったり、歯ぎしりをすることがあります。これが顎関節や周囲の筋肉に過度な負担をかけ、症状を悪化させることがあります。

③ 姿勢の悪さ
長時間の悪い姿勢、特に首や肩の姿勢が悪いと、顎関節にも負荷がかかります。例えば、スマートフォンやパソコンを長時間使うことで前傾姿勢が続き、顎に負担がかかることがあります。

④ 顎の過度な使用
硬い食べ物を頻繁に食べたり、大声で話したりすることで、顎の筋肉や関節に過度な負担がかかることがあります。これが顎関節にダメージを与え、症状を引き起こす要因になることがあります。

⑤ 外傷
顎の外傷や顔への強い衝撃(例えば、事故やスポーツによる怪我)は、顎関節に直接影響を与え、顎関節症の発症につながることがあります。

⑥ 歯の欠損や治療後の詰め物・被せ物の不整合
歯が抜けたままにしていたり、不適切な歯科治療が行われた場合、噛み合わせが悪くなり、顎関節に負担がかかることがあります。

⑦ 加齢による変化
年齢を重ねると、関節がすり減ったり、関節のクッションである軟骨が摩耗することがあります。このようなことが顎関節症を引き起こす可能性があります。

⑧ 遺伝的要因
家族に顎関節症の既往がある場合、遺伝的な要因も関与している可能性があります。

 

顎関節症の症状が出た時にご自身でできるケア

・10分程度氷嚢などで痛みがあるところを冷やしましょう。その後ゆっくりと口を開けたり閉じたりして顎関節を動かして、筋肉を伸ばしてみましょう。

・食べ物は小さく切り分けて、口を大きく開けなくても食べられるようにしましょう。固い食品(特にフランスパンやビーフジャーキーのように、しっかりかみしめないと噛み切れないもの)は避けるようにしましょう。

・急に口を開けたり閉じたりすると、関節をさらに傷つける可能性があるので避けましょう。

※参考文献:厚生労働省テーマパーク8020 顎関節症

 

顎関節症で顔の歪みがおきる?

顔の歪みが気になる顎関節症の女性|顎関節症の原因とセルフケアや治療について|渋谷マロン歯科Tokyo

実は顎関節症によって顔が歪むことがあります。これは、顎に偏った負担がかかることによって筋肉がアンバランスになることが原因です。通常、顎関節症が進行すると、痛みや不快感を避けようとして無意識に片側ばかりで噛んだり、反対側の顎を使わなくなったりする傾向があります。この不均衡が長期間続くと、顔の筋肉が片側に偏って発達してしまい、左右のバランスが崩れて顔の歪みが生じることがあります。

さらに、噛み合わせの悪さや歯ぎしり、片方だけで噛む癖が原因で顎に負荷がかかると、顔の骨格にも影響を与えることがあります。

 

顎関節症の治療方法

顎関節症は、症状の程度や原因に応じてさまざまな治療方法がとられます。
治療については歯科医師にご相談ください。

●マウスピース治療

マウスピースは、噛み合わせを調整し、顎関節や周囲の筋肉への負担を軽減します。また、夜間の歯ぎしりや噛みしめを防いで顎関節症の症状を緩和します。

● 理学療法

顎の筋肉や関節の周囲をほぐすストレッチやマッサージが効果的です。特に、緊張している筋肉をリラックスさせることで、顎関節にかかる負担が軽減され、痛みや違和感を和らげます。

● 噛み合わせの調整

歯の噛み合わせが悪い場合、噛み合わせを調整するための治療が行われることがあります。この治療には歯列矯正治療や歯の詰め物や被せ物の調整が含まれます。

● 薬物療法

痛みや炎症を抑えるために鎮痛薬や抗炎症薬が使用されることもありますが、根本的な治療ではありません。

● 手術(重症の場合)

非常に重度の顎関節症の場合、関節に対する手術が必要となることもあります。ただし、通常はマウスピースや理学療法で十分な効果が期待できます。

 

顎関節症の方が日常生活で気を付けること

顎関節症の方には、ご自身の生活習慣の改善が大切です。症状が悪化しないように、また、顔の歪みなどを防ぐためにも、以下のようなことに留意しましょう。

姿勢を改善する

たとえば、長時間デスクワークをする際、椅子に深く座り、背筋を伸ばすように意識します。スマホを見るときも、顔を下に向けず、目の高さで見るようにすることで、顎に負担をかけない姿勢を保つことができます。

噛み方を意識する

食事中、意識して両側の歯で均等に噛むようにしましょう。片方の歯ばかりで噛む癖がある場合は、一口ごとに噛む側を変えるようにしましょう。
無意識に片側だけで噛んでいる方は意外に多いです。意識することから始めましょう。

硬い食べ物を避ける

ナッツ、フランスパンなどの硬い食べ物は控え、柔らかく、顎に負担の少ない食べ物を選ぶことを心がけましょう

ストレス管理

ストレスも顎関節症の悪化の要因になります。ストレス解消のために、毎日のルーティンにリラクゼーションを取り入れるなど、ご自身で取り組みやすい習慣をつけましょう。たとえば、1日10分程度の深呼吸や瞑想、軽い散歩などもストレスを軽減し、顎の緊張をほぐす効果があります。

睡眠環境を良くする

顎関節症の方は睡眠中、仰向けで寝ると良いです。横向きで寝ると顎に負担がかかることがあります。また、自分に合った高さと硬さの枕を選び、顎や首の負担を減らすことも大切です。

 

顎関節症は、顎の痛みや開閉の不具合に加えて、顔の歪みを引き起こすこともあります。原因はさまざまなので、歯科医院にいけばすぐに治るものではなく、患者様の生活習慣の改善も大切になります。しかし、顎関節症の要因になることが癖になっている場合や、ストレスなどについてもコントロールは簡単ではありません。

顎関節症かなと感じたら、まずは歯科医院にご相談されることをおすすめします。

監修者情報

守屋 崇

口腔外科

守屋 崇

昭和大学 卒業
昭和大学大学院 卒業

治療方法や方針に対して疑問点があれば、いつでもご相談ください。