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2023.07.06
【症例】難症例を抜歯即時インプラント治療で審美的に改善
治療概要
治療内容 | インプラント治療 |
---|---|
期間 | 3カ月 |
治療回数 | 6回 |
費用 | 合計:566,500円 インプラント埋入手術:275,000円 人工骨+メンブレン:55,000円 土台:55,000円 被せもの:181,500円 (全て税込価格) |
治療前の状態・主訴
今回の症例の患者様は、他院で抜歯と言われた右上の歯に対するセカンドオピニオンで来院されました。
口腔内写真では歯冠破折(歯の見える部分が割れること)が確認できました。
レントゲン写真では根尖(歯の根っこの先)に透過像があり、CT画像ではその大きさがはっきりと分かります。
該当の歯は1年間根管治療を行っていた歯だそうで、当院でも再治療をするか抜歯をするかとても悩ましい状態でした。
仮に根管治療を完璧に行えたとしても、歯冠破折の部位が舌側の歯肉よりかなり縁下のため(歯茎の中まで到達している)、補綴物の精度が不十分になってしまう恐れがあります。
今回は1年間の根管治療の既往歴と、患者様の価値観や生活状況を加味して治療計画をたてることにしました。
抜歯の場合はブリッジ、入れ歯、インプラント治療の3つの選択肢となります。今回の治療方針を決定するにあたり、それぞれのメリットデメリットを患者様に十分に説明させていただきました。
最終的に患者様は抜歯を選択し、抜歯後はインプラント治療をすることになりました。今回は抜歯と同時にインプラント埋入を行う「抜歯即時インプラント治療」にて行うことにしました。
治療詳細
インプラント治療は埋入するタイミングによって術式が変わります。
一つは抜歯をしてから3ヶ月~半年ほど待つ方法、もう一つは抜歯をしてその日にインプラント埋入を行う抜歯即時埋入という術式です。どちらにもメリットデメリットがありますので詳しくご紹介します。
抜歯してから3ヶ月〜半年待つ場合
インプラント手術では自分の骨にチタンでできたボルト(インプラント体)を埋入します。インプラント体が骨と結合(オッセオインテグレーション)したら被せものを装着して終了となります。これには通常3カ月の期間がかかります。
骨が無い場合は後述する抜歯即時インプラントが難しくなりますので、こちらの方法で骨が回復するまで待つことになります。
この治療のデメリットは、抜歯をした後に骨吸収(破骨細胞が古い骨を壊すこと)と呼ばれる現象が起きる点です。
歯が埋まっている土台の骨である歯槽骨は、歯の抜歯により生理的な刺激が減少すると、歯槽骨の骨吸収が起きます。
これは破骨細胞の骨吸収が骨芽細胞の骨形成を上回る結果として骨量の減少が生じるためです。これを「モデリング」といいます。骨吸収が起きると骨の外側に存在する歯茎も下がりますので審美性も失われてしまいます。
一方「リモデリング」という言葉も存在します。これは破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成がバランスを取りながら連動している状態です。(骨の内部の代謝)
インプラントの長期にわたるインテグレーション(インプラントをくっつけること)は絶え間ないリモデリングのおかげで成り立っています。しかしリモデリングを超えるような負担をかけてしまうと、骨吸収を引き起こしてしまいます。またあまりにも刺激が少ないと退化(萎縮)してしまいます。
この骨吸収のことを考えると、抜歯をして待っている間に骨吸収が生じ、インプラントに必要な十分な骨が得られるのかという問題があります。
この状態になった場合、渋谷マロン歯科Tokyoでは人工骨とメンブレンを用いて骨増大という処置を施します。
この処置は周囲骨への生理的な刺激の維持を通じて骨喪失を抑制する効果があります。これにより抜歯を行った後に何もしないものと比べて骨吸収や骨の厚みの減少を抑制することができるのです。
このように当院ではただ抜歯を行って待つだけでなく、デメリットを最小限に抑えてインプラント手術に臨む態勢をとっています。
抜歯即時埋入の場合
歯を抜いたその日にインプラントを埋入する方法です。これには条件がいくつかあります。
まずは上顎なら上顎洞までの距離が、下顎なら下顎管までの距離が十分に確保できていることです。他には歯周病治療を行って口腔内の細菌レベルが下がっているか、病変が大きい部分の骨硬化像はないか、といったことが挙げられます。
上記を満たしている場合は当院では抜歯即時埋入を提案する事が多いです。理由としては、抜歯をした後の骨吸収を最小限にできること、治療が早く終わるということ、長期間の治療による周りの歯の移動や噛み合わせを防止することなどがあります。
デメリットとしては、手術のレベルは抜歯即時埋入のほうが難しくなりますので、術後感染などには慎重に考えなければなりません。しかし、適切な術式で行えれば感染リスクを最小限に抑えることができます。
今回は上記の内容を総合的に検討した結果、抜歯即時埋入を行うことにしました。
治療後の様子
インプラント埋入して治療を終えてから3カ月後に、インプラントと骨の結合の強さを測定するためにISQ値を測定しました。
結果は全て80以上の数値を確保することができたので、型取りに進みました。
印象時口腔内写真
インプラント埋入後3カ月で被せものを装着することが出来ました。
術後3カ月レントゲン
術後3カ月CT
最終補綴装着後
装着後写真(アクセスホール充填前、充填後)
患者様の日々の丁寧なケアのおかげで術後感染も起きず、計画通りに全て進めることができ、患者様も喜んでおられました。また、歯を抜いた箇所の歯茎が下がったりすることもなく、審美性も確保されたことにも大変満足されていました。
今回は抜歯即時埋入を選択したことで、とても満足度の高い治療を行うことができました。
また、術後のレントゲンではインプラント体と補綴物周辺にはっきりと不透過像が確認することが出来ました。
被せもの装着後レントゲン写真
渋谷マロン歯科Tokyoが使用するインプラントとアバットメント(土台)は「プラットフォームスイッチング」という構造になっており、辺縁骨吸収の原因となるアバットメントICT(免疫細胞の集積)を歯槽骨から離す事で得られた結果だと思われます。
主な副作用・リスク
・手術後には腫れや痛みが発現する可能性があります。
・術後感染が判明した場合はインプラントの撤去ならびに再手術が必要になります。その際の費用はかかりません。
・自由診療での治療となります。
・慣れるまでは噛むと違和感が生じることがあります。
セカンドオピニオンをご希望の方は当院までご相談ください
渋谷マロン歯科Tokyoでは、保険診療の中でも最高の治療を、自由診療でも最高の治療を目指して日々診療に取り組んでいます。また、歯科領域における各専門家が在籍しているため、確かな診断と幅広い治療方法の選択が可能となります。今回のようにセカンドオピニオンを希望される方や、その他お口の中の不調がある方は、ご相談だけでも結構ですのでぜひ渋谷マロン歯科Tokyoにいらしてください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。
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